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冷風機にはどのような効果があるの?特徴や仕組みを徹底解説

夏場の工場や倉庫などで働く人にとって、重要になるのが暑さ対策ですよね。蒸し暑い夏は、工場・倉庫がサウナのような状態になることも多く熱中症予防が必須です。暑さ対策として使える機器の一つに「冷風機」が挙げられます。

しかし、冷風機とは具体的にどのようなものなのでしょうか。この記事では、冷風機に期待できる効果やメリット・デメリットについて解説します。

1.冷風機ってどのようなものなの?

冷風機とは、簡単にいうと「涼しい風が出る大型の扇風機」のことです。冷風機の中でも気化式冷風機は、水の気化熱によって冷たい風を生み出すことができます。具体的には、冷風機の周りの温度よりも4~5度程度涼しい風を吹き出すことが可能です。また、冷風機は1台設置すれば、広範囲に涼しい風を送り出せることが大きな特徴といえます。

さらに、冷風機は「排熱しない」ことが大きな特徴です。コンプレッサーを必要としない構造のため、本体から排熱することがありません。広い工場内や、倉庫内の全体を冷やすことには適していませんが、「特定の場所を部分的に冷やしたい」という場合に向いています。作業場を冷やしたり、稼働中の機械を冷却したりするときにも便利です。

なお、冷風機といっても業務用や家庭用などの種類があります。家庭用冷風機は、いわゆるクーラー本体と室外機を合わせたようなイメージが近いでしょう。業務用の気化式冷風機と異なり、一般的に家庭用冷風機は背面から熱気が出る仕組みです。それぞれに構造が異なるため、違いをよく理解しておきましょう。

2.気化式冷風機の仕組み

気化式冷風機は、工場や倉庫などの暑さ対策として便利なアイテムです。しかし、「どのような仕組みで涼しい風が出るのだろう」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。気化式冷風機の仕組みとして、ポイントとなるのが「気化熱」です。

本来、水が蒸発するためには熱が必要になるため、空気中の温度が下がります。

これを一般的に「気化熱」といい、気化式冷風機はこの原理がうまく活用されているのです。具体的には、まず気化式冷風機のタンク内にある水をポンプでくみ上げます。

続いて、その水を冷却エレメントにしっかりと染みわたらせ、大型ファンから冷却エレメントに向けてたくさんの風を送ります。すると、冷却エレメントの水分が蒸発して熱が奪われる気化現象が起こり、涼しい風が生み出されるのです。

この仕組みのわかりやすい例としては、打ち水が挙げられます。熱い夏場に打ち水を行うと、涼しいと感じられることがありますが、これは気化熱の原理によるものです。また、日常生活の中でいうと、お風呂上がりの冷えも同様といえるでしょう。

お風呂から上がってしばらくその状態でくつろいでいると、「体が冷えて寒い」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。これも、気化熱の原理が関係しています。

3.気化式冷風機のメリット

工場や倉庫の暑さ対策として気化式冷風機の導入を考えている場合、メリットが気になる人もいるのではないでしょうか。ここでは、具体的に5つのメリットと期待できる主な効果について解説します。

3-1.排熱がないため場所を選ばず設置できる

気化式冷風機の大きなメリットといえるのが「排熱がないこと」です。気化熱で冷たい風を出す構造上、気化式冷風機にはコンプレッサーが搭載されていません。そのため、排気による熱を気にしないで済むことが強みです。

夏場に工場内・倉庫内で涼をとれる機械の導入を検討しているものの、排熱が気になり設置場所に悩んだり導入をあきらめたりするケースも少なくありません。このような場合にも、気化式冷風機であれば排熱がないため、冷却をあきらめていた場所にも設置することができます。

使う場所を選びにくく、導入のハードルが低いことが魅力です。

3-2.エアコンと比べて電気代が安い

冷房機器を導入しようと考えたとき、気になる点が「コスト」ですよね。暑い季節は、毎日のように冷房機器を使う頻度が高いからこそ、どうしても電気代が気になってしまうものです。特に、エアコンは電気代が高くランニングコストに頭を悩ませることも少なくありません。

その点、気化式冷風機はエアコンに比べて電気代が安いことがメリットです。上手に気化式冷風機を活用することで、ランニングコストを効果的に削減できます。

例えば、サイシュウテクノ株式会社が販売している「ストロングクールX」という製品の場合、ランニングコストが8時間使用で192円程度です。

一方、20畳のルームエアコンの場合は420円程度のランニングコストとなります。気化式冷風機とルームエアコンを比較すると、気化式冷風機は約55%もの節電になるため、省エネ対策に力を入れたい場合にもおすすめです。

3-3.工事をする必要がなく設置が簡単

新たに冷房機器を導入する場合、業者に依頼したり工事が必要であったりするなど何かと手間がかかるものです。日々の業務が忙しく、なかなか工事の予定が組めない場合は、設置の時期が遅くなってしまうなどのトラブルが発生しかねません。気化式冷風機は、「設置が簡単」なことも魅力の一つといえます。

コンセントと水さえ用意できれば、好きな場所に設置可能です。エアコンのように大がかりな工事をする必要もなく、スムーズに導入を済ませることができます。

また、気化式冷風機の中にはキャスター付きのものもあるため、移動も簡単にできて便利です。「作業場が頻繁に変わりやすい」「さまざまな場所で使いたい」というケースにもぴったりでしょう。

3-4.気温が高く湿度が低いと特に冷却効果が高い

気化式冷風機は、気化熱の原理を使って湿度が上がる仕組みです。そのため、稼働すると周辺の空気の「乾燥防止」にも役立ちます。倉庫・工場内の空気が乾燥しやすいという悩みがある場合にも一役買ってくれるでしょう。

気化式冷風機は、気温が高く湿度が低い環境下では、より高い冷却効果を実感しやすくなります。

3-5.風に長時間当たっても体が冷えすぎることがない

気化式冷風機は、「冷えすぎを防止できること」もメリットの一つです。夏場の暑い季節に、冷房機器を使って涼むのは気持ちが良いものですが、冷房機器で体を冷やしすぎてしまうと「クーラー病」などを招く原因にもつながります。クーラー病とは、別名冷房病とも呼ばれるものです。

自律神経の乱れによって体温調整がうまくできなくなってしまうと、頭痛やめまいなどの不調を引き起こす可能性があります。冷房による体の冷やしすぎは思わぬ症状を招く原因になり得るため、注意が必要です。

本来人間は、自律神経が正常に働くことによって、適度な体温調整が行われています。しかし、夏場の暑い外気からキンキンに冷やされた室内へと入ると、温度差が生じて体の自律神経が乱れてしまうおそれがあるのです。

その点、気化式冷風機は外気温と湿度のバランスによって冷風の温度が調整されるため、体への負担を和らげることが期待できます。空間を冷やすための風を送り出すクーラーに対し、気化式冷風機は自然に近い打ち水のような涼しい風を送ってくれるのです。

やさしい冷たさの風であるため、長時間浴びても体が冷えすぎてしまう心配がありません。冷房の効き過ぎに不安がある場合にも導入が向いています。

4.気化式冷風機を使用する際の注意点

気化式冷風機には、さまざまなメリットや効果があることがわかりました。しかし、使用時には注意すべき点もあります。

ここでは、どのような点に気を付ければいいのか、3つの注意点について詳しく見ていきましょう。

4-1.部屋の室温を下げるわけではない

まず、注意すべきポイントに「部屋の室温を下げるためのものではないこと」が挙げられます。前提として、気化式冷風機はエアコンのような温度設定は行えません。

基本的に、エアコンは空間そのものの温度を下げる目的で活用されます。一方、気化式冷風機はエアコンとは構造や目的が異なり、冷たい風を送り出すのが主な活用方法です。気化という自然の原理を使う機器であるため、室温そのものを自由に変えることはできないことは念頭に置いておきましょう。

4-2.湿度によって冷却性能が変わる

気化式冷風機は、「湿度の影響を受けやすい」という側面があり室温が同じ場合でも湿度が高いとその分、水は蒸発しにくくなります。湿度が高い環境で気化式冷風機を使った場合、どうしても冷却性能の低下を招きやすいため、注意が必要です。例えば、サイシュウテクノ株式会社の大型気化式冷風機「ストロングクールX」の場合は、以下のように冷却性能が変化します。

どちらも室温は35度の想定です。まず、湿度40%の場合は吹き出し温度が26度となり、室温より9度低くなります。一方、湿度60%の場合は吹き出し温度が29度です。室温より6度低くなります。このように、室温が同じでも湿度によって吹き出される風の温度が変わることを覚えておきましょう。

4-3.使う前に水を補給しなければならない

気化式冷風機を使うためには、「水の補給」が不可欠となるため、稼働前にタンクに水を入れておくことが必要です。製品によって多少の差はありますが、水を満タンに補給しておけば連続6~8時間程度は使用できるといわれています。しかし、稼働中に水が足りなくなった場合は、その都度補給が必要です。

そのため、気化式冷風機の稼働時間と現場での作業時間を加味し、どの程度の使用になるのか考えなければいけません。このような水の補給や考慮の手間がかかることはデメリットといえるでしょう。

こうしたデメリットを解消するためには、「自動給水機能が付いた気化式冷風機を選ぶ」という選択肢もあります。自動給水機能が付いたものであれば、ホースと接続するだけで水の補給が可能です。稼働中に「水が切れてしまった」というストレスから解放され、給水の手間が省けることで業務効率化につなげられるでしょう。

5.スポットクーラー・サーキュレーターとはどのような違いがあるのか

工場や倉庫で涼を取る機器は、冷風機以外にも「スポットクーラー」「サーキュレーター」などがあります。これらは、気化式冷風機と比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。相違点についてチェックしていきましょう。

5-1.スポットクーラーとの違い

スポットクーラーと気化式冷風機は、排熱において大きな違いがあります。まず、スポットクーラーは室内機と室外機が一体化した構造となっているため、排気口から熱が出る仕組みです。そのため、冷たい風が送り出される一方で、排気口から熱も出されてしまいます。排出された熱が部屋の中に閉じ込めたままだと、涼しさを体感することができません。

一方、気化式冷風機は排熱されない仕組みのため、効率的に部屋を冷却できます。また、気化式冷風機とスポットクーラーはファンの大きさも異なります。気化式冷風機はファンが大きいため、スポットクーラーと比べると風をより遠くまで届けられることが特徴です。

5-2.サーキュレーターとの違い

サーキュレーターと気化式冷風機の違いには、風圧が挙げられます。サーキュレーターは、プロペラを回転させ周りの空気を押し出す構造です。この点においては、気化式冷風機に比べてサーキュレーターのほうがより風圧が強いといえるでしょう。

しかし、サーキュレーターは押し出す空気の温度を変えることができません。つまり、気温が高いとその分、生ぬるい風が発生しやすくなります。この点から、冷房効果は気化によって涼しい風を送り出せる気化式冷風機のほうが高いといえるでしょう。

また、サーキュレーターは目の前にしか風がこないことも多く、冷却効果が期待できるのは風が当たる部分的なものです。一方、気化式冷風機は遠くまで冷たい風を送りやすく、広範囲で涼を取りやすい傾向にあります。

6.気化式冷風機を効果的に使う方法

気化式冷風機は、ただ導入するだけではなくポイントを押さえることでより効果を引き出すことができます。具体的なポイントは、以下の2つが挙げられます。

#換気を行う

気化式冷風機を使うと、その構造上どうしても部屋の湿度が上がりやすくなります。閉め切った空間で稼働させると湿度が上がり、かえってジメジメとして蒸し暑く感じられるおそれがあるのです。これでは、十分な冷房効果を得られない原因になり得るため、注意が必要となります。気化式冷風機の効果を発揮させるためには、室内の湿度が上がらないように十分な換気を行いましょう。

#設置場所を工夫する

気化式冷風機は、背面をドアや窓の方向に向けて設置すると、外気を取り込みやすくなり、部屋の湿度が上がることを効果的に予防することができます。稼働の前に設置位置を意識するように心がけることがおすすめです。

節電効果があり暑さ対策に適している冷風機

冷風機は、「排熱がない」「工事の手間がかからない」などさまざまなメリットがあります。また、冷風機はエアコンと比較すると節電効果が高いことが魅力です。冷たい風を遠くまで送れるため、工場の暑さ対策にも向いています。冷風機の導入を検討しているのなら、まずは「サイシュウテクノ株式会社」に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

自社に合う冷風機を見つけて、効果的に暑さ対策を行いましょう。

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