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【暑さ対策】学校での暑さ対策には気化式冷風機がオススメ!気化式冷風機の仕組みやメリット・デメリットまで徹底解説

夏場の学校が抱える大きな課題として、安全に学べる環境を作ることが挙げられます。それは分かっていても、暑さ対策の具体的な方法が分からないという担当者もいるでしょう。この場合、気化式冷風機の導入を検討してみることが得策です。本記事では、気化式冷風機の仕組みやメリット、デメリットなどを紹介し、疑問に思われやすい点についても解説します。

1.なぜ学校教育現場の暑さ対策が注目されているのか

夏の酷暑化は、学校教育現場で暑さ対策が重視されている大きな理由です。自分が子供だった頃は、あまり暑さ対策が行われていなかったと思う人もいるでしょう。状況が大きく異なるため、昔と同じように考えてはいけません。日本だけではなく地球規模で見ても、夏の気温は年々上昇しているのが実情です。そして、その変化に比例する形で熱中症の被害も拡大しており、死亡件数も高まりを見せています。生徒や教師が、このような過酷な外部環境のもとで活動することはリスクが非常に高いです。それを踏まえたうえで、現代の状況に合った効果的な対策を十分に講じなければなりません。

また、対策の必要性をさらに大きくする出来事がありました。令和2年に新型コロナウィルス感染症が流行し、感染予防のために学校を休校にする措置が全国的にとられたのです。感染の脅威はなかなか収まらず、休校は長引いてしまい、学校が再開した後もしばらくは通常より少ない授業しか行われませんでした。そして、そのしわ寄せが夏休みの削減という形で表れることになります。減ってしまった授業日数をカバーするために、真夏に通学するという方法が多くの学校で選択されました。そのような理由で、例年にも増して暑さ対策が必須になったというわけです。

2.気化式冷風機とは?

暑さ対策として注目されている気化式冷風機は、仕組みに大きな特徴を持っています。この装置は気化熱の原理を利用して、温度の低い風を出す大型の送風機です。具体的な処理としては、最初に背面から外気を取り込みます。次に行うのは、その外気の温度を一気に下げるための処理です。本体の中に水を流しているフィルターが搭載されており、外気はそこを通過するときに気化熱の作用によって冷たくなります。そして、気温が下がった空気を巨大なファンで送り、周囲を涼しくするのです。稼働中はこのような流れにより、外気の取り込みと冷却、吹き出しを継続的に行っています。

なお、気化熱とは、水などの液体が蒸発する際に吸収する熱を指します。同時に周囲の空気や物などは熱を奪われることになるため、その結果として生じるのは温度が下がるという現象です。特に珍しいことではなく、ほとんどの人は何らかの形で経験したことがあるでしょう。たとえば、打ち水によって涼しくなることや、汗によって体が冷えることは気化熱の作用にほかなりません。この自然の原理を活用する仕組みが気化式冷風機の要です。それによって外気を冷たい空気に変換して涼しい風を提供してくれます。

3.気化式冷風機の効果は?

気化式冷風機は送り出す空気を気化熱の作用によって冷やす扇風機です。具体的には、取り込んだ外気を周囲よりも5~9度ほど低い温度まで下げられます。もちろん、使用する現場の状況を考慮して下げる温度を調整することも可能です。そして、内部で冷えた空気を外に冷風として吹き出すことが、広範囲にわたって涼しい環境を作りだす効果につながります。この効果がより発揮されやすいのは、暑くて湿度が低い状況で稼働させたときです。そのような状況では水が蒸発しやすいので、取り込んだ外気から気化熱を奪いやすくなります。

ただし、気化式冷風機の周囲は湿度が上がることを理解しておくことも大事です。本体の内部で水を蒸発させるため、それが空気中に出ていくことで湿気が多くなるというわけです。加湿器の代わりになるという前向きな見方もありますが、精密機器のように湿気に対してデリケートな製品が近くにあるなら、事前に場所を変更しておくなどの対策が求められます。また、湿度が高くなると気温が低くても過ごしにくい場合もあるので、そう感じた場合は換気をすると良いでしょう。湿気によるカビの発生を抑制するという目的においても換気は役に立ちます。

4.クーラーとの違い

空気を冷やす装置としてスポットクーラーが現場でよく用いられています。気化式冷風機の効果について理解を深めるには、両者の違いを把握しておくことも大事です。ここでは、クーラーと気化式冷風機の性能に関する違いを説明していきます。

4-1.クーラー

スポットクーラーも含めてクーラーに該当する一般的な製品は、冷媒を圧縮するコンプレッサーを使用して空気を冷やす構造を持っています。コンプレッサーは稼働中に排熱を出すため、室外機の前などクーラーが冷風を出している方向以外の場所で熱気が発生しやすいです。一方、気化式冷風機が利用するのは気化熱であり、コンプレッサーを持っていない構造であるため、排熱をほとんど出しません。よって、冷風を出している方向にかかわらず、気温の上昇をもたらすというリスクがないのです。

また、ミストを噴出して周囲を冷やすタイプのクーラーもあります。気化熱に着目している点は気化式冷風機と同じですが、こちらはミストで直接外気を冷やすことを目的とするものです。それに対して、気化式冷風機が水を蒸発させるのは内部であり、吹き出し口からミストを出す仕組みはありません。そのため、金属やメッキ、フィルムなどを扱う工場にも採用されやすくなっています。また、両者は電気代に関する違いも大きいです。気化式冷風機はクーラーより7~8割程度も少ない電力で稼働させられます。経済性がとても優れた装置なので、ランニングコストを安くしたい場合にもうってつけです。

5.学校で気化式冷風機を用いるメリット

気化式冷風機を学校で使用することには多くのメリットがあります。同程度の冷房能力を持っている製品よりも経済性が高いこともその一つです。電気代を節約することで、学校運営にかかる経費を抑えやすくなります。また、効果が自然に高くなりやすいことも気化式冷風機のメリットです。こちらに関しては、稼働により湿度が上がる仕組みであることがポイントになります。湿度の上昇する余地が残っている状況、すなわち、気温が高くて空気中の湿気が少ないほど冷房効果のアップにつながるのです。夏場はそのような日も多いため、暑さ対策として優れたパフォーマンスを十分に発揮してくれるでしょう。

さらに、コンプレッサーを必要としない構造であり、排熱の心配がないこともメリットの一つです。これにより、スポットクーラーを使用する場合よりも、空間全体を冷やしやすくなっています。どこからも熱風が出ないので、周囲環境の温度上昇に気を配らなくても大丈夫です。また、広い観点では、このメリットは地球温暖化の防止に役立っているともいえます。自然保護の大切さを教えることも学校の役割であり、気化式冷風機はそのテーマに合った素晴らしい装置です。

6.学校で気化式冷風機を用いる際の注意点

学校に気化式冷風機を導入する場合、気を付けなければならない点もあります。重要なのは、子供がたくさんいる現場であるという事実です。子供の上に倒れてしまうとケガをさせてしまうリスクがあります。周囲で遊んでいて強く接触するケースを想定し、転倒防止の対策を事前に施しておきましょう。また、子供は発想力が豊かであり、大人が思いつきもしない方法で遊ぶことが多いです。気化式冷風機に関しても、よじ登ったり分解しようとしたりするなど、遊具や玩具のように扱おうとする可能性があります。その際に事故が起こることも懸念されるため、子供の手が届かないところを選ぶなど、設置場所にはくれぐれも注意しなければなりません。

誤動作や故障によるトラブルに備えることも大事です。定期的にメンテナンスを実施して、正常に稼働する状態を維持しましょう。不衛生にならないように、清掃をしっかり行うことも不可欠です。空気を送り出す装置なので、吹き出し口などに汚れがあれば、教室中にそれを拡散するような事態になりかねません。そのようなリスクを避けるため、手入れを習慣にすることも必要になります。また、教師などの大人が使い方を正しく理解したうえで、運用や子供に対する注意を適切に行えることも大切です。

7.気化式冷風機を選ぶときのポイント

気化式冷風機といっても、さまざまな製品が発売されています。どれが良いのか検討するときは、冷風機能ばかりを意識しがちですが、それ以外の点に注目することも大切です。たとえば、リモコン操作でチャイルドロックが可能なタイプや、優れた除湿機能を備えているタイプなどがあります。他にも便利な機能を持っている機種は多いため、学校という現場の特徴を考慮し、役立ちそうな仕様を重視して選ぶことがポイントです。

さらに、本体内部にあるタンクの容量も重要な判断材料といえます。湿度の高い状況で使う場合や除湿機能のあるタイプを使用する場合は、水が溜まりやすいからです。満水の状態になると排水しなければなりません。その作業はタンクが小さいと頻繁に発生するため、手間を減らしたいなら大容量のものを選択しましょう。また、使用する環境ごとに配慮が必要な点も変わってきます。たとえば、室内で使うなら、排気用のダクトを窓に固定して使えるタイプが適切です。ただし、気化式冷風機は本体から熱風が出るわけではありません。ですから、ダクトがない場合でも、空間の出入り口に排熱口が向くように配置するだけで快適に使用できます。

8.気化式冷風機を使う上でのよくある疑問点

気化式冷風機がどのような装置かイメージできても、実際に導入を検討していると、分からない点がいろいろと出てくるものです。ここでは、使用するにあたって疑問に感じやすい点を紹介していきます。

8-1.レンタルも可能?

購入以外に利用する手段がないか疑問に感じる人は少なくありません。文化祭のような学校行事で数日だけ使いたいなど、期間限定で運用したいという状況も多いからです。さまざまな業者がレンタルのサービスも実施しているので、一時的な利用で問題ないなら、そこから選択するという方法もあります。また、効果を確かめるために、とりあえず使ってみたいという人もレンタルすることが得策です。実際に試して納得したうえで本格的に導入すれば、性能や機能が足りないという失敗を防げます。教室の広さを考慮して1ランク上の製品を購入するなど、実情に合った適切な判断を行えることが魅力です。

レンタルは便利ですが、地域や業者などの要因によって価格差が生じる点に注意の必要があります。修学旅行や林間学校のような機会に、現地でそれぞれ借りるつもりなら、複数社の見積もりを取ってコストパフォーマンスの高いところを選びましょう。また、必ずしもすべての機種をレンタルできるわけではありません。たとえば、最新機種に関しては、発売後しばらくの間はレンタルの対象になっていないケースも見受けられます。そのため、目当ての機種がある場合などは、事前に問い合わせて確認しておくことも大事です。

8-2.タンクの水はどうしたらいい?

タンクの水をどのように扱っていけば良いのか分からないという人もいます。衛生面に配慮するなら、できるだけ毎日水を排出することが望ましいです。さらに、週に1回ぐらいはタンクの中を洗うようにしましょう。悪臭が発生しにくくなりますし、故障や性能の低下を防いで長持ちしやすくなります。なお、タンクの中身は普通の水なので、水道の排水口に流しても大丈夫です。一方、気化熱を利用する目的で蒸発が繰り返されるため、1日の稼働時間によっては足りなくなるケースもあります。水の減り具合を確認して、状況に応じて継ぎ足すことも忘れてはいけません。水がなくなると冷房効果が失われて、熱中症などのリスクも生じるので注意が必要です。

また、夏場が終わって気化式冷風機を使わないなら、学校の倉庫などに収納することになります。その際、タンクに水が入った状態のままにしておくのは間違いです。すべて捨ててから、しっかり乾燥させるように心がけましょう。湿気が残っていると、雑菌やカビが繁殖して不衛生な状態になりやすく、タンク以外の部分にまで被害が及ぶリスクもあります。次に利用する際に困ることを避けるため、万全の状態で保管しておくことが重要です。

気化式冷風機で教育現場を快適に

気化式冷風機がどのような装置か把握できましたか。他の冷房効果を持つ製品よりコストが安いうえに、優れたパフォーマンスで涼しい環境を作りだしてくれます。教育現場の快適性を高め、暑い夏場でも安全に通える学校の実現が可能です。なお、気化式冷風機の活用を検討しているならサイシュウテクノに相談すると良いでしょう。教育現場の実情にマッチした大型気化式冷風機をスムーズに導入できるようになります。

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