業務用エアコンの仕組み!業務用エアコンの構造・冷暖房の原理・トラブル

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業務用エアコンの仕組み!業務用エアコンの構造・冷暖房の原理・トラブル

工場や倉庫といった大きく広い空間の空調設備として、業務用エアコンはポピュラーな存在です。出力が大きい業務量エアコンと一般的な家庭用エアコンとでは、仕組みにどのような違いがあるのでしょうか。そこで、この記事では業務用エアコンの構造やそもそもの冷暖房の原理、仕組み上、起こり得るトラブルについて解説します。

1.業務用エアコンとは?家庭用との違いを知ろう

一般的に業務用エアコンとは、大きな空間において効率的に空調を整えられるものをいいます。よく見られる家庭用エアコンとは、仕組みにどのような違いがあるのでしょうか。この段落では、業務用エアコンの定義や特徴について解説します。

1-1.業務用エアコンと家庭用エアコンの違い

業務用エアコンは通称「パッケージエアコン」とも呼ばれるものです。家庭用エアコンは「ルームエアコン」と呼ばれます。両者は基本的な構造はほとんど同じです。しかし、「冷暖房能力」に決定的な違いがあります。エアコンにおける能力は、馬力という表現が用いられます。一般的には馬力が大きいほど、冷暖房能力が高いことになるのです。業務用エアコンは10馬力を超えるものもありますが、家庭用エアコンは最大でも3馬力程度だとされています。また、業務用エアコンは1つの室外機で複数の室内機を動かすことが可能です。一方、家庭用エアコンは室内機と室外機が1対1の構造となっています。

さらに、業務用エアコンと家庭用エアコンとでは、電圧にも違いがあります。業務用エアコンは単相200Vや三相200Vであるのに対し、家庭用エアコンは単相100Vまたは200Vであることが一般的です。それにともない、電力会社との契約内容も変わってきます。

1-2.業務用エアコンの特徴

業務用エアコンは1台の室外機で同時に複数台の室内機を運転させる「同時運転マルチ」が可能なことが特徴として挙げられます。さらに、個別に運転させる「個別運転マルチ」も可能です。業務用エアコンであれば、室外機が複数あっても室外機は1台で済みます。そのため、メンテナンスの観点から利便性が高いことがメリットといえるでしょう。それに、複数の室外機がない分、見た目もすっきりします。加えて、業務用エアコンは長時間運転や熱負荷にも耐えられる、頑丈さが特徴といえます。

業務用エアコンは最初の導入コストが高い傾向にあり、導入を躊躇するケースも少なくありません。しかし、負荷の大きい状態で長時間使用を繰り返す場合など、長期的に考えればランニングコストや寿命の面でメリットが大きいといえるでしょう。

2.業務用エアコンの仕組みとは?

基本的に、業務用エアコンと家庭用エアコンの仕組みは同じです。簡単にまとめると、室内機と室外機によって室内の空気と外気の熱交換を行い、空間を温めたり冷やしたりしています。具体的にどのような仕組みになっているのか、業務用エアコンの構造や冷暖房の原理についてより詳しくチェックしていきましょう。

2-1.業務用エアコンの構造

エアコンの主な部品として、室内機には「室内熱交換器」が備わっています。室外機は「圧縮機」「四方弁」「膨張弁」「室外熱交換器」が組み込まれています。業務用エアコンの構造とそれぞれの部品の働きについて見ていきましょう。

2-1-1.圧縮機

圧縮機は、通称「コンプレッサ」とも呼ばれるものです。業務用エアコンの心臓部であり、冷媒ガスを流すポンプの役割を果たします。冷房時には室内熱交換器から室外熱交換器へ、暖房時はその逆へと冷媒ガスを圧縮して送る仕組みです。断熱圧縮によって冷媒ガスの圧力・温度を上昇させます。暖房時はこの熱エネルギーを有効活用することが可能です。冷房時と比較して圧縮機を稼働させる電力分、効率を良くすることができます。

2-1-2.四方弁

四方弁はエアコンに冷房・暖房の両方の機能を持たせるためのパーツです。圧縮機の「吸入」「吐出」「室内熱交換器」「室外熱交換器」の4方向への流れを制御する意味を持っています。主な役割は、圧縮機から送られてくる冷媒ガスの流れを切り替えることです。冷房時は室外機の熱交換器へ、暖房時は室内機の熱交換器へと冷媒ガスを送る仕組みです。

2-1-3.膨張弁

膨張弁は圧縮機や四方弁と逆側で、熱交換器とつながっています。主な役割は、高温高圧の冷媒を低温低圧に変えることです。膨張弁内で狭い通り道を通過させて、冷媒の密度を下げ「断熱膨張」を行います。この断熱膨張によって、冷媒の圧力と温度を下げる仕組みです。冷房は圧力が高い方から低い方へと流れていくため、膨張弁は道の幅を調整しています。

2-1-4.熱交換器(放熱)

業務用エアコンには「熱交換器」があり、放熱する構造です。冷房時には室外機の熱交換器、暖房時には室内機の熱交換器が放熱の役割を果たします。圧縮機で高温高圧になった冷媒ガスが四方弁を通じ、熱交換器へと入ってきます。そして、冷媒ガスは放熱によって温度が下がり、液体へと状態が変化するのです。同じ温度でも液体より気体のほうが熱エネルギーの大きさがあり、冷媒が気体から液体へと変わるときに熱を放出します。暖房時であれば、熱交換器で温められた空気がファンによって室内に吹き出されます。液体になった冷媒はさらに温度が下がり、膨張弁へと送り出されるという仕組みです。

2-1-5.熱交換器(吸熱)

業務用エアコンでは、冷房時に室内機の熱交換器、暖房時に室外機の熱交換器が吸熱の働きをします。膨張弁から送られてきた低温低圧の冷媒は熱交換器に入り、周りの空気から熱を奪って温度が上がります。冷房時には室内の空気が冷やされ、ファンによって冷風が吹き出されるのです。このとき、冷媒は熱エネルギーを得て液体から気体へと状態変化します。気体となった冷媒はさらに温度が上がり、四方弁へと送り出されます。

2-1-6.冷媒ガス

エアコンの冷暖房機能の中心的役割を担うのが「冷媒ガス」です。エアコンの冷媒ガスは「フロン32」「HFC32」「R32」などと呼ばれる代替フロンが多く使われています。化学物質としては、「ジフルオロメタン(CH2F2)」という有機化合物が使用されます。なお、冷媒として従来使用されていたフロンガス「R22」は、オゾン層を破壊するという理由で現在は使用されていません。代替フロンはオゾン層を破壊せず、安全性も高いことが実証されています。その反面、温室効果などが問題として残っています。

2-2.業務用エアコンにおける冷暖房の原理

業務用エアコンにおける冷暖房の原理は、「ヒートポンプ技術」によるものです。パイプで室内機と室外機をつなぎ、そのなかに冷媒を循環させます。冷媒は圧縮機や四方弁、膨張弁や室外熱交換器を通り、液体と気体の状態変化を交互に繰り返します。その結果、空気を冷やしたり温めたりできる仕組みです。冷媒の流れを逆方向にすることで、冷房と暖房の切り替えができる構造になっています。

3.業務用エアコンの仕組みに起因するトラブル

業務用エアコンにはさまざまな部品が組み込まれており、それらが正常に動くことで空調を整えることができます。ただ、業務用エアコンはその仕組みによって、さまざまなトラブルが生じることもあります。ここでは、業務用エアコンの仕組みに起因するトラブルについて見ていきましょう。

3-1.冷媒のガス漏れ・ガス欠

業務用エアコンのトラブルの一つが、冷媒のガス漏れやガス欠です。冷媒が漏れてガス欠になると、熱交換がうまくいかなくなります。その結果、冷暖房がほとんど機能しない状態になってしまうのです。冷媒がガス漏れを起こしているかどうかは、以下のような方法でチェックできます。まず、室外機のフィルターを外してみましょう。奥の熱交換器に霜がついている場合は、ガス漏れを起こしている可能性が高まります。冷媒ガスが漏れて少なくなると、室内機の一部が過剰に冷却されて結露が発生し、水漏れを起こすケースがあります。室外機から出ているパイプに霜がついている場合は、ガス漏れが疑われるでしょう。

加えて、室内機・室外機の両方の配管も確認してみることが大切です。内部の冷凍機油が冷媒ガスと一緒に漏れ出ている場合、配管のつなぎ目がベトベトとした状態になります。この場合、ガスが漏れている可能性があるでしょう。

3-2.ホースの詰まりによる水漏れ

業務用エアコンを使用していると、室外機から水漏れが発生することがあります。その主な原因は、ホースの詰まりです。通常室内機で発生した水は、ドレンホースで外へ排出される仕組みになっています。しかし、このドレンホースの内部や出口が何らかの理由で詰まると、水漏れが発生しやすくなるのです。ホース内にエアコンが吸い込んだホコリや汚れが蓄積されると、それが詰まりの原因となって逆流する場合があります。また、ドレンホースの出口が地面に近かったり接していたりすることも原因となり得ます。この場合、出口にゴミや水がたまり、排出がうまくいかなくなるケースがあるでしょう。

見た目から水漏れの原因を特定できない場合は、ドレンホースが壁のなかでたるんでいたり、破損していたりすることも疑われます。速やかに原因の特定と対処を行うためにも、業者に点検や修理を依頼することが大切です。

3-3.異常停止することがある

業務用エアコンは夏の気温が高い時期に運転が停止することがあります。これは室外機が高温になることが主な原因です。室外機が高温状態になると、電気機器系統などエアコンの内部システムを保護するための制御が働きます。そのため、夏場に業務用エアコンが停止した場合は故障とは限らず、制御機能によるものの可能性があります。通常はよほど外気温が高くならなければ制御は行われません。ただし、空気の流れが悪くなるなどの原因で、異常停止する場合もあります。たとえば、室外機の周りに何かものを置いている場合は、空気の流れが悪くなるおそれがあるため、注意が必要です。

このような場合は、室外機の周りに置いた荷物を30cm程度離してみましょう。荷物を離して置くことで風通しが良くなります。この状態でエアコンを再起動させることで、停止状態が解除される可能性があるでしょう。なかには、荷物を離すなどの工夫を試しても反応がなく、エアコンが完全に停止してしまうケースもみられます。このような場合は、コンセントからプラグを抜き差しして、一旦リセットを行うことも一案です。少し時間を置いてから運転させてみましょう。

3-4.イヤな臭いがする

業務用エアコンを使っているときに、独特な臭いが発生することがあります。業務用エアコンの仕組みは室内の空気を吸い込み、冷風もしくは温風を送り出すというものです。この室内の空気を吸い込むにあたり、室内のホコリやチリなども同時に吸い込むことになります。また、工場や倉庫で使用している場合は、その現場で働く作業員の汗や業務用の油といった、臭いのもととなるものが多く吸い込まれます。エアコンのフィルターでせき止められたものは、こまめなクリーニングによって除去することが可能です。しかし、微細なものはエアコン内部まで入り込み、蓄積されてしまいます。

このような積もり積もったものが原因となって、イヤな臭いの発生につながるのです。それ以外にも、臭いの大きな原因としてカビの発生が挙げられます。エアコン内部の結露した水、蓄積した汗や油などにカビが発生すると、室内機から送り出される風に異臭がついてしまいます。このような場合はエアコン内部の清掃が必要です。臭いに困っている場合は、専門業者に依頼することでエアコンの清掃を行えます。

3-5.運転中に無風状態が起こる

業務用エアコンを使用していると、無風状態になるケースがあります。なかでも冬に起こりやすく、運転を開始すると室外機から温風が出なくなってしまう状態です。このようなトラブルが発生する主な原因は、室外機に霜が付着することだとされています。暖房運転は室外機の熱交換器を氷点下まで下げ、室内機から温風を出す仕組みです。ただ、外の湿度が高いと霜が付着することがあり、暖房運転ができなくなってしまうのです。なお、業務用エアコンには多くの場合「霜取り運転」という機能が備わっています。この機能を使うことで霜を解消できます。

しかし、その機能を使っている間は温風を出すことができません。自動で霜取り運転モードに切り替わった場合も同様です。暖房を開始する前に霜が付着している場合は、先に霜取り運転を行える機種もあります。業務用エアコンは種類によって機能も異なるため、活用シーンや目的に合わせて選ぶようにしましょう。

メリットや起こり得るトラブルを理解して導入の検討を

業務用エアコンと家庭用エアコンは基本的な仕組みは同じですが、出力に違いがあります。業務用エアコンは出力が大きく空調能力が高いことが特徴です。一方、エアコンの仕組み上避けられないトラブルがあり、設置コストも高い傾向にあります。導入が難しい場合は、低コストの大型冷風機も選択肢となります。サイシュウテクノは大型冷風機と換気扇を組み合わせた「涼風プラン」を提供しているため、検討してみてはいかがでしょうか。

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